ジャポニスム2018|Japonismes 2018

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©keiko sumino-leblanc

レポート
2019/01/16

日本茶への関心の高さが現れたイベント「日本茶月間・講演会」

 12月の1ヶ月間、ジャポニスム2018「日本茶の世界」の一環としてパリで展開された「日本茶月間」。抹茶や煎茶、ほうじ茶、玉露といった日本のお茶の、多面的な魅力を紹介するさまざまな機会が設けられました。
 12月15日には、「日本茶月間」に合わせてパリ日本文化会館で「日本茶講演会」が開催されました。席数を大きく上回る参加予約者で人気を集め、当日、会場を埋めた顔ぶれも老若男女さまざまで、日本語を学ぶ若い学生とその母親、プロの女性パティシエ、毎朝煎茶を飲んでいるという年配の夫婦など、日本のお茶に関心を持つ人々の、幅の広さがうかがえました。

 

左・南雲主于三氏、右・大森正司氏。試飲会会場にて。©keiko sumino-leblanc

 

 講師を務めたのは、「お茶博士」として知られる大妻女子大学名誉教授・大森正司さん、そして世界的ミクソロジスト(バーテンダー)の南雲主于三さん。
 大森さんからは、お茶のおいしさを客観的に測定する味覚センサーについてや、ミネラルウォーターのエビアンで煎茶をいれると旨味が突出することが明らかになったことなど、最先端のお茶研究開発についての報告がありました。これは、日仏の参加者全員が驚く興味深い内容でした。
 南雲さんからは、お茶の楽しみ方の新しい可能性について、多くのヒントが提案されました。特に、緑茶を抽出した自家製ジンで作るジントニックのレシピは、「すぐに実践したいです」との声が参加者から多くあがるほどでした。
 また、講演会後の試飲会では、煎茶と、大森さんが研究開発を進める「ギャバロン茶」の2種類のお茶が振舞われ、高血圧やストレスの抑制に効果的な「ギャバロン茶」を初めて飲んだ参加者からは、「他のお茶にはないまろやかな口当たり」「デザートに取り入れてみたい」などの感想が聞かれました。

 

「煎茶ロールケーキの人参シャーベット添え」 ©keiko sumino-leblanc

 

 また日本茶月間期間中は、パリ市内のカフェやレストランにも日本のお茶が登場しました。
 凱旋門にほど近い1つ星レストラン「Alan Geaam(アラン・ギアム)」では、煎茶パウダーを使用した彩り鮮やかなロールケーキがコースメニューで提供されました。「煎茶には人参に似た渋みがあるので、人参のピューレを使ったロールケーキの生地に煎茶を取り入れました。彩りが美しく、オレンジフラワーウオーターのシャーベットともよく合い、お客様に大変喜ばれるデザートです」と、シェフ・パティシエのジュリアン・ノレイさん。

 

「Jaja Matcha(ジャジャ・マッチャ)」 ©keiko sumino-leblanc

 
 かわって多くの若者が集うパリ流行の発信地、マレ地区のオーガニックレストラン「Jaja(ジャジャ)」には、抹茶のカクテル「Jaja Matcha(ジャジャ・マッチャ)」が登場。抹茶、ジン、ココナッツウオーター、バニラシロップをミックスし、ゆずのゼストを添えた一品で、とろりとした口当たりの甘いカクテルを、爽やかなゆずの香りと青みのある抹茶の後味がバランスよく整えています。マネージャーのセバスチャン・キアパラさんによると、実はこのカクテル、ジャポニスム2018「日本茶の世界」の一環として11月に開催された専門家向け日本茶アトリエで南雲さんから学んだレシピがベースなのだそうです。

 「新しいものやおいしいものに好奇心旺盛なお客さまが多いので、ジャジャ・マッチャはとても好評です。現在、煎茶ジントニックも準備中です」とキアパラさん。

 健康志向、リラックス効果、そして他の飲み物にはない自然な風味。現代人のさまざまなニーズに応える日本のお茶は、今回の取り組みをきっかけにますますフランスの人々の生活に浸透していきそうです。

 
【公式企画】

「日本の食と文化を楽しむ」シリーズ(日本茶月間)

「日本の食と文化を考える」シリーズ(日本茶講演会)

「日本の食と文化を学ぶ」シリーズ(日本茶アトリエ)