ジャポニスム2018|Japonismes 2018

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レポート
2019/03/22

日仏交流が生んだ近現代の傑作工芸を展示する「ジャポニスムの150年」展

 この150年間、日仏はどのような芸術的影響を与えあってきたのか。その様子を工芸・デザイン・ファッションなどさまざまな分野を通じて発見できる「ジャポニスムの150年」展がパリの装飾美術館で2018年11月15日から2019年3月3日まで開催されました。

 本展には、装飾美術館が所蔵する10,000点を超える日本美術コレクションから厳選された作品とともに、日本からも、選りすぐられた約150点が出品され、「発見者」「自然」「時間」「動き」「革新」という5つのテーマに沿って、近代から現代までの名工、デザイナーの作品約1400点が展示されています。日仏芸術の影響と相互理解にスポットライトが当てられ、具体的には、明治から現代に続く陶芸、染織、七宝、漆芸、金工、プロダクト、ファッション、グラフィックといった美術工芸の歴史を、分野別に包括的に眺められるよう構成されています。例えば、漆芸では山崎覚太郎が欧米滞在後に制作した「猿蒔絵風爐前屏風」(東京藝術大学所蔵)、陶芸では樂吉左衞門がフランスのルビニャックにおいて制作した茶碗や焼締花入などが展示されました。
 展覧会のキュレーションには、装飾美術館のキュレーターに加え、日本からも2名の専門家(工芸/諸山正則、デザイン/川上典李子)が参加するとともに、アドバイザーにはファッションデザイナーのコシノジュンコが就任。2,000㎡におよぶ展示空間の演出は建築家の藤本壮介が担当しました。

 

 

 会期中には装飾美術館のキュレーターやボランティアによるガイドツアーも催行されました。ツアーでは落ち着いた雰囲気の年配者を中心に、日本のポップカルチャーに影響された若者まで、幅広い層の参加者が説明に耳を傾けつつ、各美術品を熱心に鑑賞していました。「ジャポニスム」とは、19世紀後半にパリで開かれた万国博覧会などをきっかけにして日本の絵画や工芸品がフランスの芸術に影響を及ぼした社会現象のことです。ツアーの参加者から「19世紀半ばに開国するまでなぜ日本は鎖国していたのか」などの質問が飛ぶ一方で、初老のフランス人女性は「どの美術品もとにかく素晴らしい。かつてパリ万博に出品された漆工芸品から着想を得て、当時(フランスのカトラリーメーカーの)クリストフルが日本趣味の装飾を施した家具を作っていたとは知らなかった」と感想を述べました。

 

 

 日仏両国が相互に影響しあい、その結果として創造された美術工芸品群を体系的に比較・鑑賞できる機会が設けられたことで、日仏の文化交流の歴史をより深く理解する手助けになっていたようです。

 
写真はすべて©Graziella Antonini

 
【公式企画】
「ジャポニスムの150年」展