- コラム
- 2018/09/11
日欧の架け橋となる価値あるイベント~パリ日本文化会館も中心的な役割を担う~
パリ日本文化会館・日本友の会 会長
早川茂
ジャポニスム2018の役割は大きい
7月からパリで始まった「ジャポニスム2018」は、現在の日本の政治や経済情勢から見てもとても意義のある大切なイベントだと捉えています。日本にとって日米関係・日中関係に加え、日欧関係が重要であることは異論のないところであり、昨年12月EU・EPAの交渉が妥結し、7月に署名に至ったことも、こうした欧州との関係性が重視されたことがベースにありました。そしてこの「ジャポニスム2018」が、文化的な側面からのアプローチによって、欧州で日本をより理解していただく上で大きなきっかけになる役割を果たすものと期待しています。
また、日欧関係のさらなる強化に向けて、この「ジャポニスム2018」をより有効活用していくには、日本の中でどれだけ認知度を上げ、盛り上げられるか、そして、現地に行って「ジャポニスム2018」に触れ、現地で交流を広げ、深められるかがポイントになります。
パリ日本文化会館とジャポニスム2018の関係
私は、「パリ日本文化会館・日本友の会会長」ということもあって、「ジャポニスム2018」の開会式に出席させていただきました。日本から河野太郎外務大臣が、また、フランスからはニッセン文化相がご出席されました。まさに国レベルの大きな催しであり、現地での期待感の高まりを肌で感じました。「ジャポニスム2018」は約8か月間継続しますが、日欧関係をその後もしっかりと高めていくためにも、この温度感を日本でも共有し、双方向の催しにしていくことが欠かせません。またそうする意義や価値が詰まったイベントだと思います。
「パリ日本文化会館」は日仏の官民協同により1997年、パリのエッフェル塔のたもとという好立地に設立されました。設立以降20年に亘り、伝統から現代まで様々な日本文化をフランスひいては欧州の皆さまに紹介して参りました。この枠組みと実際の建物は、これからの日欧関係にも大いに役立てられるものと思いますし、日本からも文化・経済などの観点から多くの方々にご活用いただけたらと思っております。
(左)パリ日本文化会館 (右)ジャポニスム2018「井上有一 1916-1985 -書の解放-」展を杉浦館長と見学
早川茂
トヨタ自動車株式会社 代表取締役副会長、一般社団法人 日本経済団体連合会 副会長。 1953年神奈川生まれ。1977年東京大学経済学部を卒業。トヨタ自動車販売株式会社(現トヨタ自動車株式会社)入社。広報部長、トヨタモーターノースアメリカ株式会社取締役社長、渉外・広報本部本部長、オリンピック・パラリンピック部統括を歴任し、2017年より取締役副会長。2017年より公益社団法人 企業メセナ協議会名誉理事、公益社団法人 日本交響楽振興財団顧問、新国立劇場評議員、2018年5月よりパリ日本文化会館・日本友の会会長。
