ジャポニスム2018|Japonismes 2018


パリ日本文化会館

コラム
2018/08/28

パリ日本文化会館よりご挨拶

パリ日本文化会館
館長 杉浦勉

 パリ日本文化会館は1982年の日仏首脳合意に基づいて日仏官民協力のもと建設準備が始まり、1997年に竣工、開館し、以来、日本の文化の紹介と普及・交流活動を続けてきました。昨年20周年を迎えたところです。
 当館の活動は民間企業等の会員から構成される「パリ日本文化会館・日本友の会」からの支援金と国際交流基金の資金によって運営されています。
 国際交流基金の安藤裕康理事長が「ジャポニスム2018」の事務総長を務めていることから、同基金のフランス拠点でもある当館は当初から国際交流基金内にある東京の事務局と連携しながら「ジャポニスム2018」の準備に携わってきました。
 「ジャポニスム2018」の準備は2016年5月から始まりました。その頃は白地図のように、真っ白な状態でした。まずは展覧会や演劇などを実施する場所探しから始めました。準備期間は2年間しかなく、展覧会については主要な美術館のほとんどが3〜4年先までスケジュールが埋まっていて、場所が確定するまでに多くの困難がありました。
 チームラボ展を開催しているラ・ヴィレットなど、すぐに会場が確定したものもありましたが、たとえば、日本では東京都美術館で展覧会が開催され超人気となった伊藤若冲も、フランスでは美術関係者の間でもまだ知られてなく、なかなか場所が決まらず困っていたところ、パリ市立プティ・パレ美術館の館長が理解を示し、数年先まで決まっていた各展覧会の関係者一つひとつと会期をずらす交渉をしてくださったお蔭で実現可能となったのです。その他の事業も会場が決まるまでには色々な紆余曲折がありました。
 そのようにして白地図に埋められた70近い公式企画の事業が、細部の準備を経て、河野外務大臣とニッセン文化大臣が参加された7月12日の公式オープンを契機に一気に動き始めました。

 

ジャポニスム2018開会式  撮影:パリ日本文化会館

 

 現在、当館は地上階に「ジャポニスム2018」の総合情報センターを設置し、「ジャポニスム2018」全体の広報や案内をする役割を担っています。また、日本式3階の展示ホールでは、7月14日から前衛書家・井上有一の展覧会が始まりました。秋には「縄文」展、来冬には「藤田嗣治」展を開催する予定です。そのほかにも 映画や食文化、禅文化、地方の魅力紹介事業など、生活文化系の事業も沢山開催致します。そして公演事業についても、リフレイン(反復)演出で知られる藤田貴大の現代演劇「書を捨てよ町へ出よう」やDJ石野卓球によるTOKYO HITクラブ・イベントなど、盛沢山の事業を開催することになっています。
 この機会に皆様のご来仏とご来館を心よりお待ちしております。

 

(左)「井上有一 1916-1985 -書の解放-」展の地下鉄ポスター(右)パリ日本文化会館情報センターを視察する河野外務大臣
撮影:パリ日本文化会館

杉浦勉

 東京大学卒業後、丸紅株式会社に入社、同社の画廊で美術品のトレードに関わったのち、丸紅調査部室長、パリ日本文化会館事業部長(1997~1999年)、丸紅経済研究所長(2001~2006年)、駐ブルキナファソ特命全権大使(2009~2013年)などを歴任。2016年より現職であるパリ日本文化会館館長に就任。