ジャポニスム2018|Japonismes 2018

コラム
2018.04.10

片川喜代治 ジャポニスム2018開催にあたって

在仏日本人会会長 兼 ジャポニスム2018応援委員会会長
片川喜代治

1978年に総合商社の駐在員としてパリに赴任。その後、ロンドンとハンブルグに移動はしたが、常にパリにての役職も兼任していたので、今年で在仏40年という節目を迎えた。そこに、「ジャポニスム2018:響きあう魂」という歴史的取り組みが企画され、なんと私はついているのかと思った次第である。
日本の文化は人の魂に作用するとかねがね思っており、視神経で把握したままに理解することは難しい。私はキノタヨという現代日本映画祭を当地で12年間主宰してきているが、映画でその物語や役者に感情移入しすぎると、その物語が終わるとき心を抉られたような感覚に襲われる。一種の喪失感である。パリ市内を中心に20超の会場で繰り広げられる展覧会や文化イベントで、いかに観客をして、感情移入をさせるかは重要な課題である。そのためには、あらゆる手段を講じて各イベントの知識と意味を人々に知らしめ、前提知識を持たせ、感情移入がたやすくなるようにする必要がある。本会では、去る1月の理事会で「ジャポニスム2018応援委員会」を設立。私自らが指揮を執ることにした。どうやって人々に感情移入をさせて魂に響くようにするかを、皆で考えながら側面からイベントの成功を応援していこうとするものである。2018年2月現在、法人会員と個人会員は合わせて、2000世帯。約6000人が会員である。これらの会員全員がジャポニスムの広告塔となり、同僚・隣人・友人の日常を共にするフランス人の魂にそれを響かせ、一人でも多くジャポニスムの世界に踏み込むように導きたい。従い、本会のサイト・ニュースレター・会報等を通じて各イベント内容を随時案内してゆく。
恒例の5月に行う「希望祭」は、東日本大震災がきっかけで始めた義援金活動で、チャリテイバザーとなっているが、昨年は、4000人を超える訪問者で賑わった。「希望祭」は訪問する人々を一挙にジャポニスムの世界に導くまたとないチャンスであり、ジャポニスムの特別スタンドを設営することやハッピやTシャツを使うことを含め最大限にこの祭りを活用することで進めている。本会では約60に上る各種活動を行っており、それら一つ一つの活動においても、ジャポニスムをいかにフランス人に伝えるかの検討が始まっている。この一大イベントに生で関与できることに感謝し、これ以上なきほどの感情移入をし、8か月後にジャポニスムが終わった時、日仏関係は劇的に跳躍し、何とも言えない喪失感に襲われていることを願ってやまない。

パリ2018年2月28日

片川喜代治

1947年生まれ。静岡県吉田町出身
1969年早稲田大学第一商学部卒業
1992年~98年フランストーメン社社長
1998年~2006年トーメン欧州・中東・アフリカ総支配人
2006年~2009年船井電気ヨーロッパ社長
2009年~Vin Passion Group会長兼VP Wines France代表
2012年~(株)ネイキッド社長顧問

2003年~2005年在仏日本商工会議所会頭
2003年~2017年在仏日本人会副会長
2017年~在仏日本人会会長
2006年~2011年キノタヨ現代日本映画祭協会発起人兼副会長
2012年~キノタヨ現代日本映画祭協会会長
2012年~日仏経済交流会副会長